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ロックマンシリーズ女性向け二次創作
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【戯れ事】
クイックとフラッシュ
キスの話。挑発的だったり、攻撃的だったり、甘かったり。いちゃいちゃごろごろ。
ナンバーズは日常的にキスし合っていれば良いと思います。過剰なスキンシップは萌えます。
チーターとかパンサーまんまなイメージのクイックと、狼っぽいフラッシュ。

関係無いことですが、フラッシュと打とうとすると良くヅラッシュと打ってしまいます。FとDが隣なので打ち間違えやすいのですが、なんだか運命的ですね。





フラッシュマンが昼過ぎに起きてリビングに向かえば、一番大きく上等なソファで午睡を貪る兄の姿があった。
それは別段珍しいことではない。任務や手伝いが無い時、この兄はこの時間帯に1,2時間の睡眠を取るのだ。早寝早起き、そして昼寝。それはまるで人間の幼い子供のようなサイクルで、彼の外見とのギャップが微笑ましいと兄弟、特に上の兄達は言う。
フラッシュマンも馬鹿だガキだと思いながらも、覗き込んだ自分の顔が笑っている事に気付いている。
普段の警戒はどこへやら、そっと近付いて傍に寄っても起きない。人の出入りがあって、尚且つ傷付ける者が居ない場所という認識があるのだろう。彼の午睡を敵意を持って邪魔するものは確かにいない。勿論、悪戯するものはいるが。

そっと覗き込んだ顔はとても端正な形をしていて、だけれども幼い。気持ち良いのだろう、目元も口元も柔らかく弧を描いている。
あの強烈な光を宿す水晶体が見えないだけで、これだけ印象が変わるのだ。常に何かに飢えているようなぎらついた光は、戦闘型のみの彼ら兄弟の中でも郡を抜いている。
しなやかな獣のようだと評したのは、意外とロマンティストな次男だったか。ジャガーやパンサー、チーターのような猫科の猛獣だと。ハンターというには正々堂々を好み過ぎると笑ったのは良い酒の席での一幕だ。

なるほど。眠る兄は昨日と弟達と見たテレビに映っていたサバンナで眠る猛獣に似ている。その微笑ましい姿とは裏腹な凶暴な獣。
フラッシュマンは兄の頬に手を伸ばした。振り払われる事も無く触れる。
人工皮膚の滑らかな肌触りに、どうやらこれは家飼いの獣らしいとフラッシュマンは笑った。そして悪戯を思いついた子供のように口角を吊り上げる。子供というには些かばかり艶めいていて物騒ではあったが、それを感知すべき者は暢気に眠っていた。

頬を指で撫でる。柔らかく往復していると、スリープ状態が解除されのか、体を身じろがせ、瞼がゆっくりと開く。ぼんやりとした光がそこにはあった。
彼は誰かに起こされるとひどく寝起きが悪い。自らの意思によらないこと全般が苦手なのだ。
フラッシュマンは頬を撫でていた指を首筋に移動させ、そこをゆるく擽った。半覚醒状態な兄は気持ち良いのかうっとりと目を細める。
ああ、これでは猛獣ではなく、ただの猫ではないか。ゴロゴロと喉を慣らしそうな兄にフラッシュマンはくつくつと小さく笑った。

「クイック」

名を呼ぶとのそのそと見上げてくる。細められた瞼の隙間からこちらを覗く目がきらりと瞬く。

「フラッシュ」

その声はもう何時もの兄のものだった。表情も剣呑な常のそれだ。
ただ距離を詰めても拒絶はない。だから、フラッシュマンは兄の唇が開き、なにかしらの咎める言葉が放たれる前に塞いだ。肉厚の唇と、薄い唇が合わさる。細めた目ににやりと笑ってやると、瞳の光に剣呑さが増す。スイッチが入ったらしくそれは、まさしく追う者のものだ。
ただ苛烈なだけでなく艶めかしさすら感じさせるそれに至近距離でじっと見据えられ、フラッシュマンのコアが熱くなる。偽りのない真っ直ぐな感情は恐ろしいものだが、たまに向けられるのは嫌いでない。寧ろ、好きだった。それがどんなものであれ、ひとつの感情に囚われる事の出来ないフラッシュマンにはひどく羨ましい。

舌を差し込むと、案外あっさりと招かれる。待っていたのだ感づいた頃にはもう遅かった。絡めとられたまま押し戻される。
やられたと内心で舌を打ち、フラッシュマンは負けじと応戦した。体勢は上にいるので有利なはずだと思った瞬間、ぱっと舌と唇が離れていき、そうしてフラッシュマンは床に背中を打ちつけた。次いで腹に重みがかかる。
見上げるとにやりと笑う兄がいた。

まだまだだなと笑う兄に、チッと大きく舌打ちをする。

「本気になってんじゃねぇよ」
「それの何が悪い?」

加減を知らないことを非難してやれば、けろりと悪びれのない様子にフラッシュマンは小さく溜め息を吐いた。
そうだった。こういうヤツだった。何時だって全速力で真っ直ぐ突っ走り、壁に激突して初めて方向を変える。愚かなように見えるが、それは違う。彼はそうすることによって、逆走することすら可能なのだ。そして悪戯だって、遊びだって全力を出す。よくある子供相手の手加減など彼のデータベースには無い。

「フラッシュ」

近付いてくる顔は楽しげで、きっと自分の勝利を疑っていない。捕まえた獲物をじっくりと味わおうとする獣の残酷さを滲ませ、クイックマンはぺろりと舌なめずりをした。
自分の下でフラッシュマンが不敵に笑う。それがクイックマンにはとても愉快だった。彼は諦めていない。唇を合わすと頭をがしりをかき抱かれ、積極的に舌を絡めてくるのがその証拠だ。
投げ捨てたふりをして、決して諦めないのがフラッシュマンだ。
激しく舌を絡ませあいながら、クイックマンはこの快感が口付けによるものなのか、それともこの戦いにも似た駆け引きによるものなのか考え、すぐにそれを放棄した。考えるまでも無い事だ。

散々貪り合って、どちらともなく唇を離した。はふ、と零れる息が熱を帯びている。
顔を見合わせ、フラッシュマンとクイックマンは笑った。
重いと言うフラッシュマンの軽い抗議を無視し、クイックマンは彼の頬や額に軽いキスをする。

「くすぐってぇよ」
「お前こそ、尻を揉むのはやめろよな」

そうして二人はしばらくじゃれあっていたが、その後リビングにやって来たクラッシュマンの襲撃を受ける事となった。
「オレもまぜて!」
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無節操に色々と萌えます。
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